多くの保護者様から質問がありましたのでこの場でお答えいたします。検定そのものに対する考え方は人それぞれです。ここではあくまで「高校入試」という立場から英語検定についてお話しいたします。
結論
2020年現在、神奈川県公立高校入試に英語検定は考慮されません
私立高校の選択の際、学校によってはちょっとだけ有利に働くことがある
理由
まず、高校入試というゴールから考えてみましょう。
公立高校へ進学する場合→英検は考慮されません
「内申点:入試:面接:特色検査(一部の上位校)」の合計のみで合否が決定します。部活動の実績、生徒会活動、そして英語検定や漢字検定など、その他の条件は一切考慮されません。
私立高校を併願校とする場合→ちょっとだけプラス
併願校は、原則内申点のみで決定します。この内申点ですが、英語検定や数学検定などを持っていると内申点を+1してくれる高校が多数あります。中堅私立高校であれば英検3級以上、上位私立高校であれば英検準2級以上を対象としています。
私立高校第1希望とする場合→ちょっとだけプラス
私立高校の専願・推薦制度を利用するケースがあります。この際も、原則内申点で決定いたします。面接が実施されますが、こちらもほとんど影響ありません。この内申点も、上記同様検定で+1してくれる高校が多数あります。
難関国私立受験をする場合→考慮されません
難関国私立(早稲田実業、明大明治などの附属高校)の受験するケースもあります。こちらは、中学受験や大学受験と同様、内申点ではなく当日の点数のみで決定します。
いかがでしょうか。
私立高校へ進学する場合、所持している級によって成績を足してくれることがある、という程度のプラスしかありません。専願・推薦のケースはまだしも、「併願校のために英語検定をがんばる」というのはちょっとおかしな話かと思います。それでしたら、普通に成績をあげるように努力するべきです。
とはいえ、検定へのチャレンジそのものを否定しているわけではありません。「無駄な勉強」なんて存在しませんし、学校の定期試験や入試に出てくる単語や文法もたくさん勉強することになります。リーガル学習塾では、英検合格に向けて個別指導を受講している生徒も大勢います。特に英検準2級は、若干手助けがあった方が合格の可能性が高まります。
保護者の皆様、子供に英検の勉強を勧めることはいいことだと思います。しかし、「英検合格により公立高校の入試に加点される」という事実はありません。そのことを大人は知っておくべきです。そのうえで合格した場合には「よくやったね!」と強く承認してあげることが大切です。