「好き」を分かち合う喜び
人生にはいろいろな喜びがあります。その中の1つに「自分がいいなと思ったものを誰かと分け合うこと」があります。映画、漫画や本、食べ物、アイドルなど、「自分の推し」に共感してもらえるととても嬉しいですよね。
しかし、自分の好きなものをすすめても、相手が「読まなかった」「聞かなかった」「見なかった」ということもあります。「せっかく勧めたのに……」とがっかりするかもしれません。それは少し残念なことです。だからこそ、「お勧めしてもらった映画、見ました!」「この前お話ししていたお菓子、美味しかったです!」などと言ってもらえると、とても嬉しくなります。自分の気持ちが届いたことを感じられ、その喜びはさらに大きなものになるのです。喜びを無理に押しつけるのではなく、心をこめて伝えることが、豊かな体験へと繋がります。
根津美術館へ行こう!
私には、いくつかの「推し美術館」があります。そこで今回は東京都港区にある「根津美術館」を紹介します。ここは、東京で子供と楽しめる教育的なお出かけスポットとして、美しい庭園と素晴らしい日本の美術品が一緒に楽しめる素敵な美術館です。ここからは、私が見つけた「素敵なもの」として、そのときの様子をレポートしてみようと思います。



美術館へと続く道は、竹林に囲まれていて、都会の喧騒を忘れさせてくれます。自然体験も兼ねたアプローチです。
スムーズ入管のコツ
長津田駅から東急田園都市線に乗って表参道駅まで行き、そこから歩いてだいたい8分くらいで美術館に到着します。尾形光琳は人気の展示。入り口でもう行列ができていました。しかし、私は事前にインターネットで前売り券を買っていたので、スムーズに入館ました。

教科書よりも大きく感じる《燕子花図屏風》の迫力
この日は、美術の教科書にも載っている尾形光琳の《燕子花図屏風》など、日本美術の傑作が展示されている特別展が開催されていました。
美術館に入ってまず目を奪われたのは、学校の美術の教科書にも載っている、尾形光琳(おがたこうりん)の《燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)》です。
教科書で見られるのは六曲一双(ろっきょくいっそう)のうちの右隻(うせき)だけです。ここでは右隻と左隻(させき)の両方が並んで展示されていました。燕子花の青、屏風の金のきらめきがずらりと目の前に広がります。教科書で見て想像していたよりもずっと大きく、華やかで、光琳が描いた美しい世界にぐっと引き込まれる作品です。やはり実際に美術館で本物の迫力を体感すると、作品の大きさや絵の繊細さが、写真で見るのとは全然違うことを改めて感じます。まさに生きた教材であり、美術学習の質を高める貴重な機会です。
ふっくらとした藤の花《藤花図屏風》
「足のない幽霊」の絵を頭に浮かべてください。どうですか?おそらく、みなさんの頭の中にほぼ同じ絵が浮かんでいることと思います。その絵の元祖は、「円山応挙(まるやまおうきょ)」と言われています。その応挙の作品も展示されていました。
それは《藤花図屏風(とうかずびょうぶ)》です。遠くから見ると「あれ?本物の藤の花が貼り付けてあるのかな?」と思うくらいの立体感があります。近くでよく見てみても、紫色の花びらが本当にそこに咲いているように見えて、思わず手を伸ばして触りたくなってしまうほどでした。応挙の細やかな観察力と、絵で表現する力に、ただただ感動するばかりでした。五感を使い、美意識を育む、これこそ芸術鑑賞の醍醐味です。
大賑わいの美術館
驚いたのは、平日の午後にもかかわらず、館内がたくさんの人で賑わっていたことです。たくさんの人が作品の前で足を止め、じっくりと眺めていました。これだけ多くの人が、光琳の素晴らしい絵を楽しみに美術館に足を運んでいるということです。家族連れや学生も多く見かけ、美術館が多様な学びの場となっていることを実感しました。
本物の燕子花
この日は天気がとても良く、美術館の美しい庭園散策ができました。庭園の池の周りでは、本物の燕子花(かきつばた)が、ちょうど見頃を迎えていました。青紫色の花々が水辺に広がる景色は、まるで光琳の《燕子花図屏風》の世界が目の前に現れたようでした。絵で見た燕子花と、庭園に咲く本物の燕子花、両方を見ることができました。これは自然とアートの融合を感じられる、総合的な学びの体験です。
庭園では、水辺に青紫色の燕子花が群生していました。
池に映る緑と空、そして水辺に咲く燕子花が織りなす風景は、まるで絵画のようでした。
一面に広がる燕子花畑は、息をのむほどの美しさです。












ミュージアムショップ
根津美術館に限らず、ほとんどの美術館にはミュージアムショップがあります。本当はこの展覧会のポスターを買いたかったのですが、残念ながら売り切れとなっていました。。。また、燕子花図屏風のミニチュアがあったのですが、少々お高く8,800円・・・ちょっと手元の資金不足により、今回は断念しました。
これこそ聖地巡礼
美術の教科書で見るだけではわからない、作品の大きさや美しさ、そしてそこに込められた作者のパワーを、実際に美術館で感じることができました。根津美術館は、情操教育や家族での学びに最適な場所です。ぜひ、皆さんも根津美術館に足を運んで、その迫力と美しさを自分の目で確かめてみてください。きっと、新しい発見や知的好奇心を刺激する感動が待っているでしょう。